天候について
我が高校時代の同級生達にとって八ヶ岳は「雨」と「霧」の山。昨年登った東天狗岳。前泊した本沢温泉ではどしゃぶりでした。であるからなおさら小屋、しかも温泉付きの贅沢な環境に大変なありがたみを感じることができたのですが。翌日の山頂も霧。白の世界でした。
◎昨年の東天狗岳山頂
そして今年。またもや赤岳山頂は昨年の東天狗岳と同じく雨の中、霧で真っ白。ほんとはこんな景色をぜひとも見て欲しかったのですが。写真は7月に下見を兼ねて登った赤岳。晴れればこんなにも素晴らしい景色なのです。
◎横岳付近から観た赤岳
それでも雨は雨なりに楽しい。楽しもう。雨の経験というのは雨の中を歩いてみないとわからない。あたりまえか。レインウエアを着ていてもどこがどう濡れるか?持ち物を濡らさないようどう防水対策を施すか等々。貴重な経験が積めたということで良かったではありませんか。登山はなんと言ってもこの経験がものいう世界ですから。
◎2018年9月2日12時の行者小屋の外気温。日中でも気温は13度。
宿泊場所について
美濃戸から赤岳を目指す時、途中の行者小屋に泊まれば、楽に登れることでしょう。しかし我々はどちらかというと宴会がメインなので、山小屋でのソレはどうかなあと一抹の不安が。そのような理由で、あえて宴会のために「本格的な山小屋ではない宿で登山口に近い」ということで選んだのが美濃戸高原ロッヂ(最後の文字がジではなくチに点のヂで、これが実に変換しずらい)。料金の割に夕食は充実の内容。大変美味しく、また宿の方もとても良い人柄で、風呂もゆったり。宴会も心おきなく楽しめて良かった良かった。
美濃戸口から赤岳山荘迄の林道について
少しでも当日の時間を短縮できるよう、赤岳山荘まで車で入りそこからスタートすることに。さて、ここでおおいに気になるのが、美濃戸口から赤岳山荘までの林道の状況です。Youtubeでは、ドライブレコーダー等で撮影した動画が公開されてますが、はたして実際は?
当日慌てないように前日、宿に入る前に下見をしておきましたが、これが大正解。我々は、日産ノートe-POWER(3名乗車)とトヨタのRAV4(2名乗車)の2台の車に分乗してましたが、途中でRAV4に5名乗車としました。日産ノートe-POWERでも行って行けないことはないけど、神経を使って進むよりも少し窮屈(レース仕様で車内にはロールバーが張り巡らされている!)だけどRAV4に5名乗車の方が良いと判断したのです。
駐車場まで辿り着くと、びっくり! ムーブ等の軽自動車やミニバン等のいわゆる普通の車も多く、なんと新型のクラウンや高級車レクサスまで。
それほど荒れた林道ではありませんが、途中、道路に横たわるように凸部が1、2箇所あり、RAV4などのクロカン車なら楽勝ですが、普通車でこれを乗り越えるのは厳しいかなあと思えたのですが。ここをあのクラウンやレクサスが…と驚きでした。
タイムスケジュールについて
赤岳山荘を5時00分にスタート。赤岳山頂に10時30分。行者小屋に13時30分、赤岳山荘に15時00分と、事前に、かなり余裕をもったスケジュールを組んでみました。
結果はほぼ予定通り、赤岳山荘5時00分スタート。赤岳山頂10時10分、行者小屋着が12時00分。ゴールの赤岳山荘が15時00分。行者小屋と赤岳山荘の区間が、山と高原の地図のコースタイム(休息時間を除いても)よりも余分にかかったようです。
事前の計画では、行きは地蔵尾根、帰りに文三郎尾根でしたが、地図に記載されているコースタイムによると行者小屋から赤岳山頂まで、地蔵尾根だと2時間10分、かたや文三郎尾根だと1時間50分。コースタイムからみて文三郎尾根の往復とした次第です。
日頃の鍛錬
私を含めて5名の参加者。本格的な登山は初めてのT間君は「これ以上は厳しい」ということで行者小屋までとし、我々が赤岳山頂から戻ってくるまでそこで待機。正しい判断です。
R治君は、登山の1ヶ月くらい前から毎朝本番と同じスタイルでウォーキング。その甲斐あって、実にしっかりとした足取りで赤岳山頂へ。持病の腰痛と膝痛でかなり苦しい様子でしたが、気合いと根性で乗り切ったK成君。これも日頃の鍛錬のたまものと言えるでしょう。
帰りの車の中で「・・・M口君は? そう言えばM口君は、涼しい顔をしていたよな。なんで?」。はたして蔭でどんな鍛錬を積んでいたのかM口君。その余裕は普通ではないぞ。
私は、11月に開催される神流マウンテンラン&ウォークのロング(40km・累積標高3,000m)に向けて練習をしているので今回のコースは少し余裕がありました。ガイド役でもあるので、このくらいでないといけません。
文三郎尾根と赤岳山頂
◎苦労して登ってきた文三郎尾根の階段
◎赤岳山頂直下の岩場。山頂まではもうすぐ。
行者小屋で一休み。本来ならここで目指す赤岳の雄姿が目の前に迫ってくるところですが、白い雲にすっかり隠れています。それでもここからがいよいよ本番。滑りやすい急坂やマムート印の階段が延々と続く文三郎尾根はこのコースで一番厳しい区間。こうなると面白いもので「地蔵尾根の方が楽だったりして」なんて思いがちですが、コースタイムは前述の通り。主峰赤岳にはそう簡単には登らせてもらえません。ここさえ克服すれば山頂まではもうすぐ。
2018年9月2日、午前10時10分。その時、そこにいたのは我々4名のみ。人気の赤岳山頂を独占しました。お疲れさまでした。