十石峠

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群馬県多野郡上野村 十石峠【2012.01.02】

お正月に走る人々

お正月に走る人々CYCLE FIELD

道普請やMTBツアーの下見と本番で幾度と無く訪れている十石峠。それなのに、未だかつて長野県側から峠を超えたことはなかった。立派な国道だから難易度は★ひとつ。難しいものではない。しかしながら、十石峠越えだけのためにわざわざ長野県側に行くという、その機会は極めて作りにくいものがある。限られた貴重な時間と費用をかけるとなると、つい他の場所が優先されてしまっていた。

その十石峠を毎年、正月の2日に自転車で越えている人達がいる。彼らは、お正月ランと称し年末から年始にかけて、西上州界隈を走っているのだ。私は、アウトドア志向の自転車ツーリングマガジン「CYCLE FIELD」1996年1月号の特集記事「お正月に走る人々」でそれを知った。

「身近な山域でこんな面白いことをやっている人達がいるなんて」当時の私は、まだ山岳サイクリング研究会に入る以前、子育て真っ最中の頃だ。年末年始に峠越えのサイクリングで家を空けることは極めて困難であり、お目当ての峠を越える前に越えなければならない妻峠の難易度は、最高峰のランクに位置していた。

子どもが成長していくにつれ、年々妻峠の難易度は下がっていく。それでも年末から元旦にかけては、餅つきや親戚での新年会等、恒例行事があることは変わりない。しかし、2日以降なら余裕も出てきた。そんな折、山岳サイクリング研究会の先輩よりお正月ランへお誘いの声がかかる。これこそ長野県側から峠を越える価値ある機会。日帰りではあるが、参加させていただくことにした。

静寂の峠道

大上峠への道

2012年1月2日。まだ陽が昇る前の暗い中、上信電鉄の始発、下仁田行きに乗る。うれしいことに元旦と2日に限り、1日500円で乗り放題の切符が発売されたので、それを利用させてもらう。ちなみにこの切符は、前もって購入する必要があるが。

6時52分、下仁田駅着。早速、自転車を組立てて向かうのは駅近くのセブンイレブン。ここで買い物をしないと先がない。夜明け後の一日の中で最も気温が低い時刻、店の前で立ったままおにぎりと熱いおでんの朝食を済ませ7時30分にスタート。

下仁田から南牧村へと走る。山が朝の陽を遮り日影が続く中、じわじわと高度上げていく。羽沢の集落に8時40分着。南牧村自然公園まであと8.5キロの看板。その先、熊倉の集落からはきつい上りが続き、途中から雪道になった。1台の車が追い越していっただけの静寂の中、雪道に先人がつけた自転車の轍に思いを巡らせながら走る。冬季閉園中の南牧村自然公園へ9時53分着。しばし休息。ここまでくれば大上峠は近い。

大上峠10時23分着。下って古谷大橋に10時36分。ここから国道299号を走り十石峠を目指す。ほどなく真っ白な雪道の先にカラフルな色彩が目に入った。それは、まさしく「お正月に走る人々」だった。

人々は、このイベントに合わせて思い思いの自転車を持ってくる。ベテラン勢はクラシカルなパスハンターが多い。普通のツーリングタイヤを履いたパスハンターは、驚くことにブロックパターンのタイヤを履いたMTBと同じように冬の峠道をなんの問題もなく走っていく。さすが、30年来雪の十石峠を走ってきた方々である。

親子2世代で走る人々

親子で走る人々

お正月ランは時を重ね、親子2世代で走るようになった人もいる。娘、息子と走る姿はなんとも羨ましい限り。我が家の息子達も連れ出したいが、なかなかオヤジの思う通りにならないものだ。

親子で走る人々

この日の峠には、ひと桁から50歳代までの年齢が揃った。ベストショットは、ひと桁の年齢で参加した元気な息子とそれを可能にした偉大な父。こんなカッコイイサイクリストを私は今まで見たことがない。

落ち葉のラッセル

落ち葉のラッセル

強い風に時折雪が舞う峠でのランチタイムも例年通りの様子。暖かい食事で身体を満たして、群馬側に下りる。ここからは私にとっても、いつもコース。日当たりの良い群馬側の旧道に雪はなく、深い落ち葉の道が続いていた。

落ち葉のラッセル

本日のゴールは上野村のすりばち荘。温泉と湯上りのビールが待っている。日帰りの私は一人、湯の沢トンネルを抜けて下仁田駅まで走り16時20分の上り列車に飛び乗った。

すりばち荘で宴会が始まる頃に自宅に到着。熱い風呂で冷え切った身体を生き返らせ、みんなより少し遅れて湯上りのビール。賑やかな宴会はないが家族揃った中での晩酌。今度はなんとか都合をつけて泊まりで行こうと思いつつ、これはこれで大変幸せなことであろうと実感するのであった。

 

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