小梨峠

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藤岡市日野【2009.02.15】

多野郡吉井町(2009年6月に高崎市に合併)と藤岡市日野を結ぶ小梨峠。
「小梨峠も昔は雰囲気の良い峠道で、パスハンターを押したり担いだりして越えたものだ」と山岳サイクリングの先輩から聞いたことがある。多くの西上州の峠がそうであるように、その雰囲気の良い峠道は役目を終えて廃道化していくか、車が通れる林道に拡幅されるかのどちらかだ。小梨峠は林道に格上げされ、峠まで軽の4WDならなんとか車で行けるようになっている。但し、現在(2009年2月)は峠手前が崖崩れで通行止め。

林道になってしまったが、峠道は関東ふれあいの道のコースにもなっており、初めて輪行で峠越えをしてみようと計画する人にもお勧めのコースだと思う。高崎駅から上信電鉄の吉井駅まで輪行すればコースタイムにも余裕があり、初心者向けに丁度よいルートだ。上信電鉄はローカル線で運行本数が少ないとはいえ、最低1時間に1本はあるし、休日の車内は余裕があり気兼ねなく列車内に輪行袋を持ち込める。

※もっとも初心者といっても千差万別。地形図とレポートで難易度を推測して「こんなはずじゃあ・・」とならないようあくまでも自己責任でお願いします。「こんなはずじゃあ・・」は実によくあることなので(笑)。

吉井町役場駐車場当日は、吉井町役場の駐車場に8時集合。準備を済ませて8時15分にスタートした。町中から南に小梨峠を目指して走る。関越自動車道の下をくぐると次第に山が近くなってくる。日曜日の朝、もともとそんなに交通量が多いわけでもない田舎の道は気持ちいいほどサイクリングに向いている。狭く場所によっては歩行者も多いサイクリングロードよりもはるかに快適だ。

道標この道標を見落としてしまうと東谷砂防ダムまで行ってしまう。こんな大きな道標でも仲間との話に夢中になっていれば見落とすかもしれないのでご注意を。砂防ダムの先、大判地の集落から杉林の中に峠道のようなものがあるが、これを小梨峠への道と勘違いしてしまうと悲惨なことになる。道標を見落として、砂防ダムまで行ってしまったら素直に引き返そう。

なぜこんなことまで書くかと言えば、私も山岳サイクリングを始めたころは分岐や看板を見落としたり、取り付きの場所を根本的に間違えてそのまま進んだ経験が多々あったからだ。ちなみに小梨峠ではなかったが。
思い込みとは恐ろしいもので、地図とどう照らし合わせてもおかしいのだが「思い込み」が全てをオブラートでくるんでしまう。途中でルートをはずすならまだしも「とりつきの時点」ではずしたら目もあてられない。

小梨峠の入口この道標にしたがって進むと民家の庭に入ってしまうような錯覚を覚える。以前はこの道標通りに進み川を渡るとすぐに峠に続く林道になったのだが、その後の工事でしばらく通行止めになっていた。その時は、少し先を迂回した記憶がある。
久しぶりに訪れてみれば、道標も新しく塗り直されている。またいつもの道が復活したのだと思って坂を下りれば、なんとその先は土砂に遮られて行き止まりである。

小梨峠入口道標から数十メートル先に行った箇所が、林道の入口となっていた。迂回していた時と同じ場所だ。道標は一新したが、移設までの予算がなかったのか?
こんな時にいちいち文句を言ってもつまらない。懇切丁寧な導きの中、時折このような変化球で楽しませてもらっているという気持ちが大切である。

橋工事も済んで、立派な橋になっていた。この先、沢沿いに細い簡易舗装の林道が始まる。

簡易舗装の林道杉林の中を急な坂道が続く。浮きそうなフロントを抑えながらローギアでゆっくり進む。保水性の低い杉林のせいか、夏場は簡易舗装の上を水が川のように流れ、表面は苔むして極めて走りにくい。しかし冬場は、そんなこともなくMTBのギア比をいかんなく発揮できる。

荒れた林道峠越えの時は「どちら側から上るか」ということが大きいポイントになってくる。小梨峠の場合は、藤岡市日野側から上った方が少し楽をできる。しかしながら、楽をするために山岳サイクリングをしているのではないので、何かと計画の立てやすい吉井町側から上ることにしたのだった。

道は簡易舗装とはいえ、荒れていてそれなりに雰囲気は悪くない。

伐採地に広葉樹が植えられているしばらく上ると伐採地に出て、いっきに空が広くなる。ここには現在、広葉樹の苗木が植えられている。
吉井町では、町で保有する針葉樹を伐採し約三万本の広葉樹を植える計画を進めていたのだった。やるじゃないか!吉井町(拍手)。この計画は、どんぐりの森プロジェクトと呼ばれ、子供達も植林に参加している。

崖崩れの現場峠に近づくと今までの急坂から解放され、北斜面を巻くように水平に道が続く。途中に崖崩れの箇所が現れる。押していっても良いのだけれど、ここで瞬間的に得意の「担ぎ」を入れる。同行のK田さんの顔も思わずほころぶ。やはり山岳サイクリングはこうでなくては。
いつもなら、秋から本格的に担ぎのシーズンに入り、今頃はクロモリのフレームが右肩にしっくりと馴染んでいる時なのだが、今シーズンは山のような諸々の雑事に追われて、担ぎの肩になっていないのが切ない。

峠北側に派生する尾根からの展望峠手前に、一息つくのに丁度良い展望のきく尾根がある。吉井・高崎方面を望む景色が気持ちいい。

小梨峠9時35分、峠に着いた。静かな良い峠だ。
私が登った群馬300山(上巻)」横田昭二著・上毛新聞社の174頁には、小梨峠から尾根を東に辿り小梨山へと登るルートが紹介されている。担ぎで小梨山を越えて再び吉井方面に戻るのも面白そうだが、今回は素直に日野側に下りることにする。
同書は、西上州界隈に関しても数多くの山が紹介されている。この山域の情報が載った書籍といえば古書店頼みになりがちな昨今、新たにこのような本が出たことは大変喜ばしいことだ。

馬頭観音 峠にいる我々を見下ろすように馬頭観音が鎮座している。馬の背に荷物を乗せて人々が行き来していた頃に思いをめぐらそう。

日野へと続く道日当たりの良い明るい峠道。
少しの間ではあるが地道の感触を楽しませてもらえる。

馬渡戸の道標吉井側と同様、急な坂道を下りていくと馬渡戸(まつば)の集落に出る。ここからは東に2車線の道路を快適に走ることができる。
鮎川に沿ったこのルートはそれなりに車の往来もあるが、実にのどかで楽しい道だ。サイクリングが趣味で本当に良かったと思えるひとときである。

土と火の里そのまま気持ちよく走り抜けても良いのだが、同行のK田さんはここを初めて走る。となれば、少しは観光スポットも絡ませてあげたくなるというもの。
途中、土と火の里に立ち寄ってみた。陶芸や染め物、ガラス細工に竹を使った工作等々、色々と体験できる。蕎麦等の食事もできる。ゴールデンウィークや夏休みはイベントもあり、子供を連れてくるには大変よろしい場所である。もちろんサイクリング時の休憩にも。

土と火の里から先、下日野まで走り猪之田方面へ左折。少し走って右折。緑野カントリークラブの脇に沿って上って下り、小さな乗越を抜けると再び吉井町に入る。谷という集落だ。集落の入口には神社があり、あたりは日本昔ばなしの世界のような懐かしい空気に包まれている。
ここから上信電鉄の馬庭駅を目指して走り、途中にある牛伏の湯に入るというのが、お薦めプランである。が、今日は早めに切り上げる予定なので、スタート地点を目指し谷から牛伏山の南面の林道を走った。林道に入ると右手には、またしてもゴルフ場が見える。

牛伏の道「歩かなくちゃもったいないだろうに」カートに乗って移動しているゴルファーを眼下に、こちらは再びじわじわと人力で坂道を上る。峠のような場所に着くと、ゴルフ場沿いの道から離れ右に下る。少し走ると、牛伏山山頂への林道入口が現れた。

早めに切り上げるといってもまだ時間がある。となれば山道も味わいたいのが人情であろう。
我々はお約束のように牛伏山山頂への道を辿り、途中から山道に入った。前半はほとんど乗れないが、担いでいるだけで充分に楽しいのだからこれで良いのである。

見晴らし台 山道の途中には、こんな見晴らしの良い場所がある。
この後、山道を味わいながらゆっくりと走って町に出た。

吉井町といえば、ジャンボ餃子で有名な陽気軒がある。丁度お昼時だ。話は速攻でまとまり陽気軒へ直行したのだが、これがなんと休業ではないか。残念。
陽気軒では敗退したものの、すぐに吉井町役場の近くにある双葉という昔からある食堂にねらいをつけて、めでたくヒレカツ定食にありつくことができた。街道沿いのチェーン店にはない味を堪能しつつ半日のツーリングを締めくくった。

1/25,000地形図 上野吉井・藤岡 

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