しらびそ峠(4)

サイトマップ
番外編のTOPに戻る

長野県飯田市 【2008.07.19-20】

サイクリング 2日目 秋葉街道を走る

杖突峠

肌寒いくらいの信州の朝5時。まずは茅野市内のコンビニへ。トマトジュースで身体を目覚めさせ、一緒に買った2つのおにぎりをフロントバックに入れてスタート。便利なコンビニの恩恵にあずかれるのも実はここだけで、途中高遠の町で1軒だけヤマザキデイリーストアを目にした他、街道沿いにはコンビニエンスストアはひとつもない。楽しい不便、さすが秋葉街道。

市街地を出るとすぐに上り坂。昨日の猛暑が嘘のような涼しさの中、今日は朝から快調なすべり出しで、6時07分最初の峠である杖突峠に着いた。朝の6時といえば一日で一番気温の低い時。涼しいわけだ。距離は11.55km。峠でひと息ついて先を急ぐ。

公民館の軒先

計画通り20Km走ったところで強制的に休息。はやる気持ちを抑えて、公民館の軒先を借りておにぎりの朝食。気がつけば、ふくらはぎが虫に刺され赤く腫れている。「大事な足になんということを」フロントバックから取り出した薬を塗りながら、すでにどこかに飛んでいってしまった虫に憤慨する。普段ならなんでもないことなのだが。

秋葉街道を気持ち良く走って分杭峠の手前で、2回目の休息ポイントになる40kmに達した。ここでトイレ休憩。時刻は余裕の8時前。日曜の朝。自宅ではまだみんな寝ている時間だ。ボトルの水を節約するために、休息ポイントでは、自販機の飲み物で水分補給を行う。峠越えを控え、ジュースでもお茶でもなく選んだのは普段は飲まないリアルゴールド。まだまだ気合い充分。

分杭峠

分杭峠

2つ目の分杭峠まで、前半はきつい上りをさらに増幅させるようなまっすぐで単調な道が続く。9時01分峠着。距離50.19km。分杭峠は、世界でも有数といわれる強力な「気場」が発見されたそうで、いつもの山の中の静かな峠とは違い、どこか観光地のような雰囲気。強力な「気」も気にはなるが、とにかく暑くなる前に少しでも先に進みたい私は、早々に立ち去った。

エッセイストや小説家なら途中で地元の人と気のきいた会話をひとつふたつかわし、その情景を巧みに文章に織り交ぜていくのだろうが、私は地元の人との交流もなく20kmごとに休息をとる他はただ黙々と走るだけ。

秋葉街道

「ふと後ろを振り返ると同じ峠を目指す仲間の姿が・・・」なんてことになれば、喜びの会話で弾みもつくのだろうけど、私を追い越していくのはオートバイツーリングの人ばかり。秋葉街道はサイクリストに人気の道だったはずなのに。結局しらびそ峠まで1台の自転車とも会わずじまいだった。

秋葉街道、幻のマーライオン

午前10時。さすがにこの頃になるとじわじわと暑さが厳しくなってくる。3つ目の地蔵峠に向かう道には、コンビニどころか自販機も見あたらない。さすが秋葉街道、素晴らしい!と絶賛したいところだが、ボトルの水も残り少なくなってくる。すでに大量の汗でウェアは塩を吹き白いアクセントが入っている。チビチビと晩酌のような節約モードの水分補給。徐々にペースが落ちてくるのは暑さと疲れと水不足か。

いよいよ水がつきたら沢の水でも汲もうかと思っていたところ、タイミングよくキャンプ場らしき施設があり、そこには待望の水場もあった。蕩々と水が吹きだしている。それがどんな形だったのか、冷たい水に目がくらみはっきりと覚えていないのだが、イメージとして浮かんでくるのは、あの世界三大がっかりのひとつ、シンガポールのマーライオン。しかし秋葉街道のマーライオンは、がっかりどころか私に大きなよろこびをもたらしてくれた。おかげで思う存分水分補給。水を得たサイクリストはかろうじて復活する。

「この先の峠は通行止め。行ったって抜けらんねえよ」亀のようなスピードで微妙にバランスを取りながらよろよろと峠を目指す私に、対向してきた車の運転手が不機嫌そうに声をかける。そういえば途中にそんな看板もあったような・・。道路が土砂崩れや陥没で通行止めになっていても自転車ならほとんどは通り抜け可能(もちろん自己責任)なので、気にもしていなかったが。

BACK--(4)--NEXT

番外編のTOPに戻る

スポンサード・リンク