田口峠と青春18きっぷ

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長野県佐久市(旧南佐久郡臼田町)・群馬県甘楽郡南牧村【2007.07.22】

7月の集中ランは、長野県の高ボッチ山。有名な諏訪湖の近くにある。山頂への集合時間は13時。輪行でアプローチする際、長野新幹線を利用すれば、特に早起きもせずに、簡単に早く快適に行けてしまいそうなのだが、これではサプライズがない。集合場所と時間だけを決めて、参加したい人が思い思いのコースや手段を使ってアプローチするのが「集中ラン」。なので、あまりにも普通すぎるのはいかがなものか。

ここはひとつひねりが欲しい。
地理的に考えれば、群馬から長野へストレートに攻めたいところ。だが、一度反対側、東京方面に頭を振っておいて、するどく切り返し、わずかにあてたカウンターと左足ブレーキングで絶妙なドリフトアングルを保ちつつ美しい弧を描くよう、埼玉、東京、山梨を経由して長野へアプローチするという方法はどうか。おお!まさにひねりをきかせたフェイントモーション。かつて1987年のラリーオブニュージーランドで、FFのゴルフGTIを駆るケネスエリクソンが見せた神業とも言える豪快なフェイントモーションを彷彿させるではないか。その走りは、世界を又にかけ数々のラリードライバーをファインダー越しに見ているプロラリーカメラマンでありジャーナリストの飯島俊行氏をもうならせるものだった。

このルートに青春18きっぷは、はずせない。
「はずせない」なんて書いてはいるが、実は45才にして初めて購入した青春18きっぷだった。夏に売り出されるこの切符の利用期限は9月10日迄。期限までにJR線普通列車(快速も含む)に11,500円分以上乗らないと元が取れない。18才の時のようにそうそう自由になる時間があるわけではない45才。これがネックになって購入をためらってしまうのが常だった。しかし今回は1日のJR線の運賃の合計が6,830円。元を取るまであと4,670円。これならなんとかなるか?。

自宅発午前2時50分。700C×28のロードバイクで雨の中、高崎駅に向かって走る。駅到着後、輪行のため本日1回目の自転車分解。
JR快速ムーンライトえちごは、中越沖地震による徐行運転の影響で、15分遅れでホームに入ってきた。高崎駅を出て、うとうとしている間に大宮駅着。ひと眠りするには微妙な時間だ。そこから南浦和、西国分寺と乗り換えれば、6:06に八王子に着く。後は八王子始発6:35分に乗るだけだ。ちなみにムーンライトえちごは新宿まで行っている。そこからなら目指す岡谷駅まで中央本線一本で実に便利なのだが、新宿始発の中央本線はまさに特急パラダイス。その影に隠れ9時過ぎまで普通列車がない。さすがにこの時間からでは集合時刻には間に合わないのである。残念。

岡谷駅で自転車を組み立ていざスタート。交通量の多い塩尻峠を越えその先、高ボッチ山へ続く細い道に入ると、とたんにサイクリング向けの静かな道になった。舗装のやや勾配のきつい坂を上っていく。自宅を出る時は一人だが、電車の中で一人、高ボッチ山の途中で数名の仲間に遭遇。集合場所に近づくにつれ少しずつ仲間が増えていくと気持ちも盛り上がる。

高ボッチ山 高ボッチ山は草競馬が有名で、山頂付近はなだらかな高原状で、山頂からの諏訪湖の眺めは絶景だ。と、高ボッチ山集中ランのレポートにしては、随分と高ボッチ山界隈のネタをはしょってしまっているが、これには深い理由がある。集中後、蕎麦屋で打ち上げをする人、温泉に入ってくつろぐ人、等々、各自のんびりムードなのだが、私はこれからが本番なのだ。

そそくさと岡谷駅に舞い戻り、急いで自転車を輪行袋につめて15時ちょうどの普通列車に乗り、小淵沢へ。今度は小海線に乗り換える。本日2回目の輪行。
佐久平まで行き、後は新幹線で高崎迄、といきたいところだが、それでは青春18きっぷに失礼というもの。ここは臼田駅で下車して、できれば田口峠を越えて自宅まで走りたい。臼田駅で、再び自転車を組み立て、17時50分、群馬に向かって走りだした。

急峻な群馬側に比べ、ゆるやかに続く長野側の道は、若干の疲労が溜まってきた身体には実にありがたい。じわじわと暗闇がせまってくる中ではあるが、周りの景色を愛でる余裕もある。
峠からロードマンが一人下りてきてすれ違った。「お互いこんな時間にご苦労さん」。先ほどからディレイラーの調整不足なのか、一番軽いギアに入りにくい。こうなりゃ気合いで入れるしかないぞとバーエンドコントローラを「おりゃ」と引くと、ありゃ?シフトワイヤーが切れてしまったではないか。サイクリング中にシフトワイヤーが切れたのは初めてだ。まあ、この位の勾配ならなんとかなるさ、これが高ボッチ山の急な坂でなくて良かった。フロントインナー、リアトップという本来使わない組み合わせで強引に峠までこぎ続けた。

18時43分田口峠着。群馬側はさっきまで雨が降っていたようで路面が濡れて視界も悪い。そうでなくても暗い峠道だというのに。慎重に峠道を降りて行く。
途中、前方に大形の動物がうずくまっている姿が目に入る。「犬にしてはでかすぎる。うっそ〜、熊っ?」と一瞬ドキッとするが、それは工事中の土砂のかたまりだった。「こんなところに白いシャツを着た人がいるぞ」と、一瞬たじろぐがそれは白い板で造られた看板だった。
それほど疲れているように感じないが、こんな時はかなり疲れが出ている証拠。路面も濡れて視界も最悪、集中力を維持するのにも体力を使うのだろう。こんな状況なので、無理せずに下仁田から再び輪行することにした。20時に下仁田駅着。 この後、下車したらまた自宅までひと走りしなければならないが、ここまで来ればもう着いたようなもの。ほっとした気持ちで、20:25下仁田発の列車に乗り込んだのだった。本日3回目の輪行。

いやはや実に長い1日であった。青春18きっぷに自転車を組み合わせることで随分とプランの幅が広がるものだ。
「ありえない人が乗っている!」岡谷に行く途中、中央本線の車内で遭遇した同じ山サイ研の☆さんの第一声。高ボッチ山途中で合流した、てっちゃん系山サイ研諸氏の「おっ、逆えちご!」。この2つの言葉は、今回のプランの最大級の賛辞であり、私は、心の奥底でにんまりとし、深い満足感を味わったのだった。


※ご参考までに2007年7月22日のスケジュールです。
 ダイヤ改正等で、その後変更になっている可能性もあります。

高崎 3:37ー〈JR快速ムーンライトえちご〉ー大宮 4:28
大宮 4:49 ー〈京浜東北線〉ー 南浦和 5:01
南浦和 5:10 ー〈JR武蔵野線〉 ー 西国分寺 5:38
西国分寺 5:50 ー〈中央線〉ー 八王子 6:06
八王子 6:35ー〈中央本線〉ー 岡谷 9:47

岡谷 10:00 ー〈自転車で往復〉ー 高ボッチ山山頂 12:15

岡谷 15:00 ー〈中央本線〉ー 小淵沢 15:45
小淵沢 15:59 ー〈小海線〉ー 臼田 17:33

臼田 17:50 ー〈自転車で田口峠越え〉ー 下仁田 20:00
下仁田 20:25 ー〈上信電鉄〉ー 高崎 21:24

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このプランの通常の経費
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高崎から岡谷まで、4,940円
ムーンライトえちご指定席券 510円
岡谷から臼田まで、1,890円
下仁田から高崎まで、1,080円
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合計 8,420円

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青春18きっぷを利用した経費
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JR線 2,300円
上信電鉄 1,080円
指定席券 510円
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合計 3,890円

捕捉
Yahoo路線情報で高崎・岡谷 [有料特急を利用する]のチェックをはずし、到着時刻を9時50分に設定して検索すると高崎から新宿までのプランが最初に出てきますが、この場合、実は新宿から普通列車の便が極端に少なく(特急ばかり)とても岡谷に9時50分に着くのは不可能。大宮から乗り換えるプランを選びました。Yahoo路線情報だけでなく時刻表でもしっかり調べるのが安心です。

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