マメガタ峠 落沢ルート [後編] 

サイトマップ
西上州の峠のTOPに戻る

スポンサード・リンク

群馬県下仁田町【2007.04.28】

鞍部直下は藪私が登った群馬300山 上巻 (横田昭二著 上毛新聞社発行)の落沢岳の項、134ページ。「ここが690メートルの峠らしいが、南側は木にツルがからみついたやぶが広がり、北側は急斜面で踏み跡は全くない」と記されている。写真は、その690メートルの鞍部から見た南側の状況。
著者が、下郷の集落(宮室バス停)から歩き、落沢岳としれいた山に登った時の記録だ。今回、落沢からマメガタ峠を越える際、実に心強い情報源だった。

同書は、著者の横田氏が登った群馬県内の300の山が紹介されている。その中には、西上州界隈の山も数多く含まれている。西上州の詳細な情報が掲載されている書籍は現在入手困難なものが多い中、書店で普通に買えるとは実にありがたいことである。西上州ファンならずとも是非とも購入したい価値ある一冊だ。

さて、この木にツルがからみついた藪をどう回避するか。
この付近のどこかにマメガタ峠からの道がついていたはずだが、今はまったくその痕跡は見あたらない。我々は、藪の右側、急な斜面をいつものように自転車を担いで突入して行った。

降りるにつれて柔らかい土がこそげ落ち、その下に隠れていた岩盤が顔を出す。これは滑る。これはまずい!
男、四十も後半にさしかかれば、オネーさん方の厚化粧にも少しはだまされないようになる歳ではあるが、山の斜面の厚化粧を見破るには、まだまだ修行が足りなかった。滑る斜面にバランスを崩し泥ともみ合いながらトラバースして、反対側の杉林へと逃げ込んだ。
気が付けば、先ほどまでの晴天はどこかへ行ってしまい、空は分厚い雨雲で覆われている。暗い杉林の中は益々暗くなってくる。それでも人の手の入った石垣が現れるたりすると、天気とは裏腹に気分は明るくなってくる。30分ほどで分岐に出た。石柱があり、一升瓶が散乱している場所である。ここは、2週間前に来たばかりであるが、緑はさらに濃くなり別の場所のようだった。

ここからが問題。
分岐から(落沢側から来た場合は右方向)上流へ沢沿いにわずかに進むと大きな岩があり、そこで沢は二股に分かれる。左の沢を進むとすぐに立派な炭焼きの跡。その脇を通り782方面へ伸びる薄い踏み跡に引き込まれそうになる箇所で、再びコンパスでマメガタ峠方向を確認。左に軌道修正して進むと卵形の巨岩。その辺から左側の尾根にとりつき、何度か尾根をからみながらマメガタ峠へというルートを辿ったのが、最初に訪れた時と先日(2週間前に)来た時だ。しかし峠道としては、どうも腑に落ちない。

「マメガタ峠への道は、落沢ルートの合流地点よりももっと手前かも知れない」
この疑問を解明するために、落沢からの合流地点に自転車を置いて偵察に行くことにした。沢をわずかに下方に辿ると、進行方向右手の尾根向こうの沢と出会う。そこには大きな岩があり、脇の木の枝に赤いテープがつけてあった。よく見ると沢の対岸にも踏み跡があり、そこにもなにやら目印のようなものが。あらためて現場を見れば、下郷から来る杉林の道は、沢の対岸へ続くよう分岐しているではないか。はっきりとした分岐ではあるが、気が付かない時というもはそんなものなのだ。地形図での記載もほぼ現状通りになる。

雨宿り ついにマメガタ峠への道がパッと開けたかと思ったら、雨が降り出し雷が鳴った。雨は激しさを増すばかりだ。大きな岩のかげにF田さんと腰をおろし、雷雨をやりすごすことにした。まだ日没までにはかなり時間もあるし懸案事項解決で心は晴れ晴れ。アウトドア雑誌に載っているエッセイのように「沢の水をくんでバーナーでお湯をわかしコーヒーを飲む。お茶菓子に羊羹なんぞをつまみながら」。なんと余裕の停滞であろうか。

マメガタ峠 1時間後、雨があがり再び戦闘開始。マメガタ峠までは道はほとんどないに等しい状況だが、勝手知ったる3回目。行く手を阻む藪もなんのその、ときたもんだ。と、調子よく進むが、やはり三つ星級の中では最強の峠。そんなに簡単に行くわけがない。峠まであとわずかの所に来て、雷雨で濡れた急な斜面はずるずると滑る。先ほどの厚化粧よりも手強い。どうやってもどこを行っても滑って進めない。泥だらけになって、もがき苦しみようやく峠にはいずり上がった。

マメガタ峠からは極上の道 頭上の濃い鉛色の空はすっかり消え去り、雨上がりのマメガタ峠は、いつにも増して明るい清々とした空気につつまれていた。午後3時だというのに、まだ陽は高い。8時42分アタック開始から延々と行動を共にしてきた自転車は、すでに泥だらけになりながらも、ここからは再び本来の機能を発揮する。
大久保の集落まで、ゆっくりと余韻を味わいならがら峠道を降りていった。

前編へ戻る

西上州の峠のTOPに戻る

スポンサード・リンク