木々岩峠

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群馬県甘楽郡下仁田町馬居沢〜甘楽郡南牧村上高原【2006.04.29】

木々岩峠の馬居沢側のルート調査を行ってから3年が過ぎ、ようやく峠越えの機会を得ることができた。
同行者は、この付近のハードな峠を一緒に越えているF田さん。下見に一緒に行った相棒シノちゃんは残念ながら都合が付かず。 今回は、下仁田道の駅を起点に、周回をとることにした。

事前に現場の雰囲気はつかんではあるが、相沢越、マメガタ峠に並ぶ難易度の高い峠である。何が起こるかわからない。まさかの大どんでん返しだって起こりうるかも知れないので、時間に余裕を持ってスタート時刻は早めに設定した。
6時40分発。下仁田道の駅から国道245号線をのんびりと走る。交通量はいささか多いが、西上州らしいのどかな雰囲気だ。連休初日ということもあり、いかにもゴールデンウィークですといった感じのオートモービルやモーターサイクルが、頻繁に我々を追い抜いていく。

馬居沢の集落国道から馬居沢の集落へ入る箇所、新しい立派な橋の先に昔ながらの古い橋がある。スタートからここまで、ゆっくり走って約50分。現在、古い橋は車の通行はできないが、人と自転車と馬は通行可能だ。木々岩峠を越える際は、ぜひこの古い橋を渡って行こう。

美しく調和の取れた馬居沢の集落を抜けると沢沿いに林道が続く。途中分岐があるが、沢を離れずに行けばやがて林道の終点に辿り着く。終点に近づくに連れて、林道のど真ん中に、むくむくと伸びる若木が目に付いてくる。あと10年もするとこの林道も消滅しそうだ。

林道の終点林道終点から沢を越えて、かろうじて残っている昔の道(の痕跡)を辿っていく。旧道に入って間もなくテープを発見。このテープは、はたして木々岩峠へ行くルートを示すものなのか?沢沿いに歩きやすいところを歩くが、徐々に道の識別が難しくなってくる。

下見の時は、地形図に記載されているルートに従ったので、途中からやや右にそれて尾根寄りに歩いたが、今回は沢沿いに「たぶんこの辺が昔の道だったであろう」と推測されるところを歩いて行った。実際に歩いてみるとやはり地形図に記載されているルートは、本来の道よりも西にずれており、山と高原の地図に目立たないグレーの点線で記されたルートが正解のようだ。私の所有する2003年以降のものは目立たないグレーの点線だが、1995年ものでは、まだ赤い点線。F田さんが持ってきた1997年ものでも同様に赤い点線。1998年〜2002年の間は未確認。

今回は、地図読みが正しく行われたかどうかを後で検証するためにハンディGPSで、要所要所の緯度と経度を記録した。 もし地形図を基に事前にGPSにデータを入力してナビゲーションをしても道のないところを行くばかりになってしまうだろう。地形図に記載してあるルートと実際の道が異なっているのは、これに限らずよくあること。GPSは、データ取りには適しているが、未知のルートを開拓するにはやりコンパス片手に地形図の尾根と谷を丹念に読むこがベストのようだ。

道祖神途中、山と高原の地図にも記載されている道祖神にもめでたくお会いすることができた。立派な岩の上に鎮座していて実にバランスがよく品格がある。(標高600m付近を過ぎたあたり)。下見の時も、帰り道ではこの道祖神のすぐ近くを通ったのだろうが、当時はあたり一帯は雪に覆われておりまったくわからなかった。 道祖神様にお会いできたということは、ここまでは、我々が辿ってきたルートは間違いないようだ。

かつてここに道がついていた?さてここから先が勝負どころ。どのあたりで沢筋の道から左上方の尾根にとりつくか?そのタイミングが問題なのである。もちろんこれと言った目標物があるわけでもなく、勘と想像力がたよりであり、この辺が旧道探索の一番面白いところだ。
道祖神を過ぎて約■00メートル、担いでいた自転車を置きF田さんと手分けをして現場周辺の聞き込み、じゃなくて道がありそうな場所を探索してみる。いつものパターンだ。 「道をつけるとすれば、おそらくこの辺であろう」とF田さんとの協議の結果、最初に自転車を置いた付近から尾根に向かって登り始めることにした。

※旧道探しの最大の楽しみを奪ってしまってはいけないので、約■00メートルとしました。沢をつめていくと上の方に、下高原と馬居沢を結ぶ林道(この時点ではまだ工事中で未開通)のガードレールが目に入るが、そこまで行くと行き過ぎかも。

急な斜面をジグザグに登り上げる。足場が悪く小さな石ではあるが落石の危険もあるので、先行者とルートをずらしながら歩いていった。道の痕跡はないが、まあ、なるようになるであろう。尾根筋まではそれほど遠くない。
途中で一升瓶のかけらを発見。炭焼きの跡らしいものもある。この辺の雰囲気は、この近くにある相沢越によく似ているし、一升瓶のかけらはマメガタ峠への道の途中でも見かけている。炭焼きと一升瓶は切っても切れない仲のようだ。

突然現れた明瞭な道型ジャストミートの瞬間が近づいてくることを確信しつつも、最後まで気は抜けない。
登り詰めていよいよ尾根が近づいてくると唐突に明瞭な道型が現れた。最後の数十メートル、まともな道を辿って無事尾根筋に出る。そこには誰がつけたのか赤い目印があった。木々岩峠馬居沢側のルートは、最初と最後にひとつづつ目印があることになるわけで、実に好感の持てる付け方ではないか。

木々岩峠歩きやすい尾根道を辿り懐かしの木々岩峠に着いた。時刻は9時30分。相変わらずなにもない静かな峠であった。
「ビールで乾杯するにはまだ早いし、この時間なら南牧側に降りて他でもう一勝負できそうですね」と余裕の会話がかわされるが、そうは問屋が卸してくれないのが西上州の良いところなのである。

杉林の中の明瞭な道を降りていくとだんだん道型が薄くなっていく。この辺の峠の場合、片側は不明瞭な道であっても反対側、特に南牧側はまともな道というのがセオリーであるはず。しかし木々岩峠道は違った。しばらくして目の前に緑の物体が我々の行く手を完全に阻止するではないか。さすがにこれにはかなわない。あきらめて右手の沢を渡り、杉林の中を迂回していった。

南牧側の道杉林を抜け沢沿いの道を進むが、その後も道は荒れ放題。途中、鹿岳への分岐もあるはずだが気が付かなかった。
この付近の道は南牧村ハイキングコースの看板にも記載されているが、下高原から鹿岳へのルートが一般的になり、この道を利用する人も途絶えてしまったのだろう。

予想外の道を楽しんで10時50分に車道に出た。さてここからもう一勝負。この後辿った林道は、地図にはまだ記載されておらず、地図読みを充分に楽しませてもらったが、そのレポートはまた後日。

この峠は、馬居沢側、南牧側の両方の道の荒廃が進み、それ故に絶滅が危惧される。下高原と馬居沢を結ぶ林道が開通すれば、尾根筋を辿って木々岩峠に行くのは簡単になるが、本来の峠越えは年々困難になっていきそうだ。
難易度的には限りなく四つ星に近いレベルであるが、マメガタ峠と同じく事前情報が豊富である事、距離がそれほど長くない等の理由で★★★とした。この場合、木々岩峠がうんぬん・・というよりも他の四つ星の峠がすごすぎるのである。

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