旧三国峠から空峠へ (2)

旧三国峠から空峠を越えて上野村の再奥の地、浜平へ【2005.05.14】

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峠越えの準備

下見

林用軌道跡4月に入り、休日を利用してF田さんと浜平側から歩きでコースの下見に出かけた。実は、本番の1週間前に、ビールO前さんと今回の集中ランの世話役であるM井さんとコースの下見に行く予定になっていたのだが、しかし、もしこの日に何らかの事情で下見に行けなかったとしたら・・・・とてもじゃないが下見なしで、いきなり挑戦なんてとんでもない!万全を期して、とりあえず行ける時に何度でも行っておくことにした。

浜平側は、当時と様相は異なり神流川沿いに造林小屋跡近くまで林道が延びている。林用軌道の起点である造林小屋跡を発見すれば、旧三国へのルートのとりつきもわかるはずだ。
「あれが軌道跡ですよ」すでに何度かこの地を訪れているF田さんが沢の向こう岸を指さす。浜平から源流部へ向け神流川に沿って林道を走ると車窓の左側に、わずかに軌道の痕跡を確認できるのだった。

造林小屋

造林小屋ゲート付近に車をとめ、沢への降下点を探しながら林道を歩く。林道から本流を見て、右から支流が流れ込んでいる付近、そのあたりからどうにか沢に降りられそうだ。もろい斜面を土砂を崩さないよう注意しながら、なかば強引に沢に降りる。
そこから沢沿いに奥に進むと、さび付いた鉄のレールが草の中に埋もれていた。ところどころではあるが軌道も残っている。さらにその先へ進むと、造林小屋があった。
作業をしながら寝泊まりしたであろうその小屋には、風呂場の跡も残っている。家族を思いやる安全標語が、木材の切り出しで活気に満ちた当時へとタイムスリップさせてくれる。

「これだけで満足しちゃいますねえ」
いかん、これ以上ここに居ると、ここで本当に満足して、その先へ進めなくなってしまいそうだ。今日は、ここから旧三国峠まで行かなくてはいけなかったのだ。

本流からはずれ南東方面の谷を枯れ沢沿いに登り始めると途中、立ち木に赤いペイントの道標らしきものを発見した。文字はかろうじて「旧三国峠」と識別できる。道型らしいものは見あたらないが、辿ってきたルートはここで間違いなさそうだ。
頃合いを見計らって右手に見える尾根にとりつく。石がごろごろしていて極端に足場が悪くなってくる。普通に歩いても難儀なのだから自転車を担いでとなるとかなり苦労しそうだ。尾根に出ると保安林の標識がある。保安林の標識は、糟谷氏が踏破した頃から今も変わらずにその場所にある尾根上の唯一の目印なのである。
ここまで、行きは部分的にかすかな道型を発見する程度だったが、それでも帰りにはある程度まで納得のいく旧道トレースができた。

幻の空峠

空峠尾根沿いの道は明瞭になり、まもなく高天原神座宮が祀られる空峠についた。ここは風の通り道らしく、お宮は強風で吹き飛ばされていた。
さっそく元の位置に戻しておく。
とりあえずの「空峠」。
記念に、ニューサイクリングに載っていた写真と同じ場所で我々も写真を撮った。
「ここまで来られてほんとに満足ですねえ」
思わずここでビールを取り出し乾杯しそうになってしまう。
いかん、いかん、これ以上ここに居ると、ここで本当に満足して、その先へ進めなくなってしまいそうだ。旧三国峠までまだ先は遠いのだ。

ここから先、県境尾根まで、部分的に踏み跡が錯綜するが、概ねしっかりしていた。特に県境尾根付近は、平成になって新しく切り開かれた道がついていた。
昭和の時代には、道はもう少し進行方向の右側にまいて行ったようだが、現在判別は不可能に近い。
 県境尾根まで出ると、そこには浜平への分岐が、明確に示されていた。以前は分岐の発見にかなり神経をすり減らしたと聞いたが、今はそんな心配もいらなくなってしまったようだ。
さて、ここから旧三国峠までが、このコースのハイライトである。
三点支持が必要な鋭い岩峰が待ちかまえているのだ。

県境尾根は、歩く人もそれなりにいるようで、ルートも明瞭であった。webや山岳雑誌でもその山行が時折公開されているように、情報も少なくない。 自転車を担いだ場合、どのルートをとれば安全で確実か?あれこれと本番の時を想定しながら県境尾根を進む。
天気は上々、尾根の先には三国山が見える。

岩峰山サイ研の諸先輩方の中には、すでにこのコースを越えられた方々が何名もいるが、今回の集中ランに参加する人は、大半が初めてと思われる。
「よし、ここはひとつ、みんなを行く前から楽しませてあげよう」
同行のF田さんにモデルになってもらい、わざと一番迫力のある場所で、高度感のある写真を撮っておいた。この写真とともに下見の様子を、山サイ研のメーリングリストに流すために。山サイ研殿堂入りのこのコースに何人の人達が参加してくるのか、今から楽しみだ。

旧三国峠に11時着。造林小屋から約3時間の行程だった。
ここだけなら、三国山山頂からならほんの2、3分、誰でも容易に到達できる。
峠には木製の古い道標が残っており、当時の雰囲気を保っていた。

三国峠のプレートそこには、安中山の会がつけたブリキのプレートもあるではないか。 プレートには「旧三国峠からソラ峠を経て浜平へ」と記されている。 さすが安中山の会。このルートを歩くエキスパート集団がここにもいたのだった。
峠からは南に、明瞭な小径が川上村へと伸びている。
「群馬側の下見もできたし、長野側はまともな道、本番が楽しみですね」
ここから国道まで、長野側の旧道を一通り歩いておけば良かったものを、この時はまともな道にすっかり安心してしまって峠で引き返した。そのおかげで本番の時に素敵なオプショナルツアーを体験できたのだが。

1回目の下見を無事に終えて、本番の1週間前には予定通り再度、ビールO前さんとM井さんとの山歩きも楽しんだ。
すでにこのルートをパスハンターで踏破しているビールO前さんに当時の貴重な話を聞きながらの山歩きは実に興味深いものであった。

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