荒船山トモ岩から星尾峠へ

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群馬県甘楽郡下仁田町 【2003.07.27】

唐突だが、神津牧場のソフトクリームは美味い。採れたての新鮮な牛乳を使ってその場で作るのだから美味いはずだ。
神津牧場のソフトクリームは神津牧場以外でも売っているが、やはり現地で食べるのが一番美味いのは言うまでもない。人間の味覚はいいかげんなもので、そのものが持っている味の他にその場の雰囲気や本人の気持ちで大きく左右されるものである。その昔、清里の清泉寮で食べたソフトクリームも非常に美味かったが、それは「彼女と一緒に行った清泉寮」で食べたからにほかならない。玉原高原のラベンダーパークで売っているラベンダーソフトも、あのラベンダー畑の中で食べるから美味い(と思う)のである。

7月最後の日曜日、荒船山のトモ岩に12時に集合することになった。
山サイ研の集中ランなので、会員のみなさんはそれぞれに好きなコースを通って集合場所まで行くことになる。
西上州界隈を代表する一般的にも非常に有名な山である荒船山は、山頂まではいくつかのルートが用意されている。
今回どこをどう通って行こうかと考えたが、やはりここはひとつ神津牧場をからませなくては、かつて西上州の観光開発に尽力された先人達に対して失礼にあたるので、市野萱から神津牧場経由のルートに決定した。

荒船湖のサンスポーツランドに車を置いて、そこから走り出す。雰囲気の良い旧道を走りながら一路、神津牧場へ。
この道は、かつて中学生の時に歩いた道だ。育成会の夏休み企画で、市野萱から神津牧場まで歩き、神津牧場の隣の内山牧場でキャンプをして、翌日荒船山に登ったのだった。

27年ぶりに辿る道である。
市野萱から神津牧場までの間、途中、風穴があったのをよく覚えている。岩のくぼみに入るとまるで冷蔵庫の中のような涼しさにずいぶんと驚いた。神津牧場までの道のりは、暑かったことと風穴が涼しかったこと、そして細い地道が非常に雰囲気が良かったこと以外はさしたる記憶がないのだが、こうやって40代前半のオッさんになってから再び自転車で訪れるのもなかなか良いことである。

途中、屋敷までの道は舗装のきつい上りが続く。とても当時の感慨にふける余裕はなく、急坂にあえぎながらどうにか屋敷の集落までたどり着いた。 屋敷の集落で、停車中のマイクロバスから5、6組の親子連れが降りてきた。27年前と似たような光景に心ときめかせながら、彼らを追い越し先を急ぐ。

屋敷から神津牧場へこの先、神津牧場まではいよいよお待ちかねの地道になるのかと思いきや、残念ながら時代は変わり立派な舗装道路になっていた。残念でした。

屋敷から神津牧場へ快適すぎる舗装の道を走り、ああ懐かしの神津牧場へ到着。
さあ、これがお待ちかねのソフトクリーム。お値段は300円。

ソフトクリームの美味しさを確認「おお!神津牧場のところに『ソフトクリームがうまい』とコメントが入っている!」 昭文社のエアリアマップ「山と高原の地図 西上州 2003年度版」を見る同行のM井さんから驚きの声が。
人が物を購入した後に「いかに自分が良い物を買ったか。いかに賢い買い物をしたか」を再認識させるために、購入者に宛に再度その商品の詳細な情報を送るというのが顧客満足度を高めるツボと言われている。高級外車のイメージ広告を一番熱心に見るのは、すでにそれを購入したオーナーさん達であるように。
この場合、ソフトクリームの味を一番引き立てているのは、彼女でもなく高原のさわやかな風でもなく、それは山と高原の地図であった。

我々は、最初の目的を達成して深い満足感の中、荒船山の登山口の旧内山峠へ向かったのだった。

牧場におけるお約束の光景牧場の中を走るので、お約束通りかような光景にでくわす。
赤いシャツを着たM井さんに牛も興奮気味・・なワケはなく、不思議な物体に跨り歩くヒトよりも早く移動する珍しいヒトに興味津々の牛を横目にのんびりと高原の道を走る。
アップダウンもそれほどきつくなく、気分爽快。

ほどなく内山峠旧道へ到着。荒船山登山口のひとつであるここには、すでに10台以上の車が駐車してあった。
ここからはお楽しみの登山道担ぎ上げが始まる。
さすがに登山者が多いせいか、道がよく整備されていて前半はMTBに乗っていけるところさえある。
いつも道普請が必要な荒れたエグイ道ばかりの私にとって、この道の状態は衝撃的でさえある。行き交う登山者の数といい整備された良好な道といい、先月走った奥多摩界隈の御前山のようではないか。
こんなコースでは登山者への配慮は、充分以上にする必要がある。

「登山者が見えたらすぐにMTBから降りましょう(字あまり)」
「笑顔の挨拶こちらから」

後半になって難易度の高いシビアな担ぎ上げの箇所が出てくる。
足場が悪く、空身でも滑り落ちないようにかなり気を使うところだ。

トモ岩12時を少し過ぎて荒船山のトモ岩に到着。
現場はすでに宴会で盛り上がっている。地味な西上州界隈においてこんなににぎやかな場面に遭遇するというのは、私は初めての経験である。
一般の登山者もけっこう多くて、みんなそれぞれにランチタイムを楽しんでいた。
本来なら、ここから大展望が広がるはずなのだが、今日は幻想的な霧につつまれ視界がきかない。今年は梅雨明けが遅くて、この時点ではまだ明けていなかった。山では毎週幻想的な風景が続いていた。
この後も、続々と自転車とともにメンバーが集まってくる。相沢から登ってくる人、内山峠から登ってくる人、星尾峠からくる人、等々。トモ岩をよじ登ってくる人はさすがにいなかった。

宴の後は、またそれぞれの好みのコースを選んで帰ってゆく。
M井さんと私、それに現地で合流したHOしさんとS庄さんの計4名は星尾峠から南牧村へ降りるコースを選んだ。

星尾峠星尾峠は美しい峠である。
誰かが「木枯らし紋次郎が出てきそうな峠」と言ったそうだが、まさにそんな雰囲気。うまいこと言いますねえ。

ここから南牧側への道は、大きな石がごろごろして最初のうちは乗りにくいが後半になってからは乗車率が高くなる走りごたえのあるコースだ。
こんな場所は、各自腕の見せ所。でかい倒木をバニーホップで越えるは、タイトコーナーをジャックナイフターンでクリアするは、私の先を行く方々のテクニックは恐れ入ってしまう。こんな技が必要な箇所、私は素直に降りました(^^;

沢沿いのせいか前半はかなり荒れており途中道がなくなっているような箇所もあるが、沢沿いに行けばすぐに道が復活する。一部崩壊しているところもあるが、とりあえず補助ロープがつけられていた。 途中間違えやすい分岐(誰もがはまってしまう星尾現象)にも立派な道標が設置されて、以前に比べわかりやすくなっていた。

このコースは、ヒルクライムで大汗をかきつつも観光地を織り交ぜ、ほどよい担ぎ上げを堪能した後はたっぷり山道下りを楽しめる、山岳サイクリングとして実にバランスの取れたコースだ。独断でつける西上州の峠の難易度的にはルートファインディングもなく明瞭な道で一部担ぎがあるから★は2つになるが、コース全体のボリュームといい難易度の高い担ぎの部分があったりと、それなりの技術と体力が要求されるコースである。

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