木々岩峠 馬居沢側のルート調査

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群馬県甘楽郡下仁田町馬居沢 【2003.01.04】

木々岩峠は西上州の登山で人気のある鹿岳の西に位置し、かつては南牧村下高原と下仁田町の馬居沢を結んでいた峠だ。
下見登山の前に、インターネットで木々岩峠の情報を調べてみたが、ほとんどが鹿岳への登山のための南牧側からのルート。残念ながら馬居沢側の情報は皆無だった。
このサイトでよく登場する「群馬の峠」(岩佐徹道著 昭和46年11月30日)でも、やはり南牧側から峠までだった。同書には「昔は峠をこえて嫁に行った娘もいたし高崎の連隊が通ったこともあったが、今は鉄砲ぶちがたまに通くらいのもの」と記述されている。当時でも、峠から馬居沢に歩く人は非常に少なかったようだ。
馬居沢側から峠までの歩いた記録があるのは「西上州の岩山藪山」(二木久夫著 現代旅行研究所発行)くらいだろうか。昭和49年の記録だが、やはり途中から道はなかったようだ。

この書籍で初めて分かったのが、木々岩峠の呼び名である。私はてっきり「きぎいわとうげ」と思っていたら書籍の中では「きじやとうげ」と読み仮名がふってあった。下見登山から帰ってきてから気づいたもので、再度訪れた時には地元の人に呼び方を確認しようと思う。

残念なことに木々岩峠に限らず、近くにある相沢越やマメガタ峠も下仁田(西牧川)側の道はほとんど歩かれずに廃道化が進んでいる。いにしえの峠道も生活道路としての役目を終えて、登山ルートの一部として使われるようになってしまうとどうしても片側だけの使用になってしまうのだろう。
現在では、ピークを目指しての登山が主流で、山のこっち側からあっち側へ峠を越えて歩くという人は極めて少数派であり、これはいたしかたないことか。

それでも「山と高原の地図 西上州・妙義」(昭文社)を見ると、木々岩峠の馬居沢側には例の目立たない点線(1995年物では赤い点線)「登山コースではない小道」で記されているのである。
今までの経験から推測すると「この目立たない点線ルートはかろうじて当時の道が半分くらいは残っている可能性が高い」と言える。相沢越はすでに目立たない点線も消えており、そういう意味では相沢越と同等かそれ以上かも、となればかなり行けそうな気分である。

雪の雑木林を歩く馬居沢の集落から沢沿いにしばらくは林道歩きとなる。
地元の人に聞いた情報によると、南牧村の下高原からも林道が延びていて、じきにこの林道と繋がるとのことだった。
「何年か前に、昔の道があるかと思って歩いたこともあったが、途中からはほとんど道がないので帰ってきた」と、これから歩こうとする道の情報まで聞くことができた。
話を聞くかぎり、どうやら地形図に記載されている道よりも若干左側、沢沿いに続くようだ。地形図では、道は沢沿いから徐々に右側の尾根にとりついて郡界尾根手前で左に、今度は尾根沿いに峠に続いている。(1/25,000地形図「荒船山」を見てください)

山と高原の地図の方を詳しく見ると、やはり地元の人が言っていた通りのルートが示されている。もっともこれは地元の人の話を聞き、実際に歩いたからわかったことで、この時は地形図と山と高原の地図の目立たない点線の微妙な違いまでは気づかなかった。ただ、山と高原の地図のルートの途中、道祖神の記載はチェックしておいたので、運がよければ道祖神を発見できるかとほのかな期待を抱いていたが。
前日降った雪で踏み後がまったくわからないので、地形図に記載されているルートを限りなく忠実に辿ることにしてみた。
林道を終点まで歩いて、そこから沢沿いに少し歩き尾根にとりついた。
ほどよい雪が、冬の西上州の山歩きを盛り上げてくれる。 いつものようにコンパス片手に地形図をにらみながらのんびり歩く。ここでチェックを怠ると、昨年の下見登山のようにアホな状況になってしまうのだ。

林道工事中途中、赤いテープの目印やクイが打ってあるのを発見した。
「おお!やはりこの辺の道で間違いないのか。う〜ん、ルート通りに行くと気持ちいい」とシノちゃんとお互いを讃え合ったのだが、どうもそれにしては様子がちょっとおかしい。

なんとなく釈然としないまま郡界尾根に到達した。地形図だとこの郡界尾根のちょっと下のあたりを尾根と平行に道がついているはずだが、どうみてもそれらしいものはない。とりあえず尾根沿いに歩いていくと、なんとなんと!
尾根の右半分が見事に削り取られ林道が延びてきているではないか。これが地元の人が言っていた例の工事のことだった。
さっき発見した目印やクイは、この先に延びる予定の林道工事のためのものだったようだ。それにしても鋭く山肌が削られたばかりの状況は実に痛々しい。

群界尾根より妙義山を臨む尾根を東に進む。郡界尾根に出てしまうと実に歩きやすい。
尾根から北側を見ると、まるで絵のような西上州の山並みが一望できる。

木々岩峠木々岩峠に到着。プレートもなく他に登山者もなく、あるのは雪に残された小動物の足跡だけの静かな峠だ。
峠から少し南側に下りたところで昼食を兼ねたささやかな新年会を催し大休止となる。北側は雪がたっぷりあるが、さすがに南側の日当たりの良いところは雪が消えている。峠越しに吹く風は冷たく厳しいが、日だまりの、このなんとも言えない暖かさ。農家の庭先、冬の縁側の情景を彷彿とさせる中、新年会は盛り上がる。

沢沿いの道?帰路は、地形図のルートにこだわらず、歩きやすいところを歩いて帰ることにしてみた。歩きやすいところは人間も動物も同じであり、しばらくは動物の足跡に導かれてけもの道を歩かせてもらう。
後半からは沢筋を辿るようになり、ほどなく林道に出た。残念ながら道祖神は発見できなかったが、木々岩峠までの全体像は把握できたので下見としては充分に満足のいく結果である。
今度は雪が消えた頃に、自転車による峠越えを完遂してみたいものである。
難易度的には八倉峠下仁田側で道を間違えて急斜面を藪漕ぎした時のように、自転車の担ぎ上げとしたらかなりの高等技術がいるとは思うが。

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