八倉峠から杖植峠へ

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群馬県甘楽郡下仁田町【1999.01.17】

西上州、下仁田町青倉と中里村持倉を結ぶ杖植峠。峠から青倉へと向かう道は伐採と作業用林道のため年々荒廃が進んでいる。開発には胸が痛むが、峠からの道筋はその雄大な眺め、そして崩壊地や行く手を阻む巨大な倒木群は相変わらずで、私はいたくこの峠が気に入っている。
そして杖植峠へ行く度に、その西に位置する八倉(ようくら)峠も気になっていた。
エアリアマップ 山と高原の地図を見ると、杖植峠はそのコースが赤くトレースされているが(1995年版での話で1999年版では道自体の記載が消滅)、八倉峠については何の情報もなく目立たない点線でルートだけが控えめに記されている。あの十石峠旧道でさえ、赤い点線でトレースしてあるというのに、それ以下とは・・。
いずれにしても、この2つの魅力的なルートを結べば、篤志家向けのそれは楽しい山岳ツーリングになるのである。

今回は2度目の挑戦となる。
一昨年の春、この周回コースにトライした私と相棒シノちゃんは、八倉峠の担ぎ上げで見事に道をはずし、急斜面を必死に薮こぎをしたのだった。

八倉峠(ようくらとうげ)

1月17日、日曜日8時45分「今度は道をはずさぬように」と、かすかなプレッシャーを感じつつ、相棒シノちゃんと共にデポ地の青倉を後にした。

峠の入口途中までは小沢岳への道と一緒で、分岐点には立派な道標が立つ。
ここで、これからの長丁場の担ぎに備え、マシンをばらしザックにくくりつける。

相変わらず中高年の登山ブームはすごい。作業をしているわずかな時間に、5〜6組のパーティーが小沢岳を目指していった。

長丁場の担ぎ上げに備え、相棒シノちゃんはすべてをザックにくくりつけた。後を歩いていた登山者の夫婦は、我々の担ぎのスタイルを見て、送電線工事のおじさんと勘違いしたそうである。たしかに・・・。

小沢岳への道しるべ小沢岳へは、西上州らしからぬ親切な道標がいたるところにある。
昨年末に登った大ナゲシ山とはえらい違いである。
これなら迷いようがない。

暗い杉の植林帯を沢沿いに進むと、途中分岐がある。我々は前回同様、ここをまっすぐに進んでしまった。本当は、ここを左に登るのが正解。
左への道はあまりにもマトモであり、私は作業用の道と思い込んでしまった。それにひきかえ沢沿いの道は多少荒れていて実に雰囲気がある。無意識のうちに雰囲気の良い道を選んでしまうとは我ながら恐ろしい。

道を間違えているのにも気づかず能天気で進んでいると、上の方で声がする。
見上げれば、はるか上に登山者らしき人影が見える。
「こんにちは〜、そっちに道ありますか〜」と声をかけると「ありますよ」との返事が帰ってくる。
ここでようやくルートの間違いに気が付いた。我々は、天の声に導かれ正しいルートを目指し急斜面をはい上がって行った。なぜか八倉峠では、このスタイルから脱しきれない。

背中に自転車をくくりつけた男が二人、斜面をはい上がってくるのを見て、天の声の主である女性はえらく驚いた様子。
「送電線の工事の人かと思ったわ〜、やだ〜自転車だったのね」
こんなマイナーなルートでハイカーに出会うのは非常に珍しい。しばし歓談。
聞けば、我々の後を歩いていたとのこと。同伴のご主人はかなりの西上州フリークのようで、マニアックな峠やルートに非常に詳しかった。

峠への道も後半になると、ようやく美しい雑木林になる。
途中、若干わかりにくい所もあるが、意外にしっかりした道が続くし、1/25000 地形図に記されたルートの通りで慎重に行けば迷うことなく林道に出られるだろう。
歩く人が少ないのか、無数の細い枝が行く手を阻む。オーバーユースで問題な山もあれば、訪れる人が少なく徐々に廃道化が進む道もある。

美しい雑木林の道美しい雑木林の道。
しかし、こんなところばかりではないので念のため。
コースの下半分は暗い杉の植林帯で間伐材が道を塞ぎ少々うんざりする。

八倉峠から杖植峠の入り口までは御荷鉾スーパー林道を走る。
今年は雪が少ないが気温が低い日が多いのか、雪はよく絞まって最高に走りやすい。
30分程東へ走ると杖植峠に着く。

杖植峠(つえたてとうげ)

下仁田町側への道を降りるとすぐ崩壊地が現れる。初めて来たときは、いきなり現れた崩壊地を見て帰ろうかと思った(当時は崩壊したてでかなり迫力があった)。そこを通り過ぎると熊笹の道の中にいつものお地蔵さんがいる。その後巨大な倒木を何本かこなす。すべてが相変わらずだ。

年々増える倒木や細かい枝に苦労するが、尾根上の落ち葉の道はやはり最高である。
このルートは途中、標高1150m付近から1/25000 地形図では東に折れているが、実際は北西の方向、青倉方面へ伸びている。山と高原の地図 エアリアマップ(1995年版)には正しいルートが記載されているので、事前に照らし合わせておけば安心だ。

気持ち良く走るとじきに伐採地になり、林道に出る。ここから林道を走ってもよいが、当然その先に続く旧道を走るのが筋と言うものだろう。刺のある枝にひっかかりながら進むと再度林道に出る。そこに広場があり、その先に旧道が続いている。この辺は、伐採と林道のおかげで以前と比べて随分と様変わりしてしまったとのことだ。今では広場の脇から下に向かって、また新しく作業用の林道ができてしまい、そこから先の旧道もずたずたになってしまっている。

概略図

今回は、さらに林道が下まで延びて、伐採の範囲も広がっていた。
様変わりに一瞬唖然とする。
それでも何とか気を取り直し、旧道を探しだして下まで降りて行った。こうなると、さすがに人も歩かなくなってしまうのか、旧道の荒廃はかなり進んでいた。

行く手を阻む無数の細かい枝と倒木に翻弄されながらも何とか無事に下り終え、日没間際の5時に無事デポ地に帰還した。
このコースは雪のない時でも、思ったより時間がかかる。私と相棒シノちゃんのコンビだと杖植峠での宴会時間もプラスされ、デポ地へ着いたのが日没近い時間なってしまったが、余裕を持って早めのスタートを心掛けた方が良いのは言うまでもない。

群馬の峠150番御荷鉾スーパー林道から少し上がると群馬の峠150番杖植峠の看板がある。群馬の峠の著者岩佐氏の峠行脚の締めくくりの峠がこの杖植峠だ。

群馬の峠(上巻)2500円 S46.6.20発行
群馬の峠(下巻)2700円 S46.11.30発行
著者:岩佐 徹道

古本屋もしくは図書館で閲覧可。

杖植峠入口御荷鉾スーパー林道から下仁田側へ降りる道の入口。
MTBがおいてあるところから入る。1/25000 地形図を読めば入り口は確定できる。
入り口の木の枝に赤いテープが巻き付けてあった。

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